【糖尿病対策】糖尿病になるとどうなるのか?
日本の成人のうち、約5人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍といわれています。糖尿病は重症化するとさまざまな合併症を引き起こします。普段の生活からバランスの良い食事、適度な運動など、未病改善する取組を心がけましょう。
糖尿病とは
糖尿病とは、ブドウ糖を分解し、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の不足や作用低下によって、血糖値が上昇してしまう病気です。ブドウ糖は、私たちが生きていくためのエネルギーとして大切なものですが、多すぎると血管が傷つきやすくなり、様々な病気を引き起こすことにもつながります。
糖尿病の種類
糖尿病は大きく分けて、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他に分類されます。糖尿病患者の多くは2型糖尿病で、生活習慣に起因します。
糖尿病になるとどうなるのか
糖尿病は、治療をせずそのままにしておくと様々な合併症を引き起こします。その代表的なものは「三大合併症」と呼ばれています。
糖尿病網膜症 | 糖尿病性腎症 | 糖尿病性神経障害 |
目の網膜にある非常に細かい血管がむしばまれ、進行すると失明する可能性があります。 | 腎臓の細い血管がむしばまれて腎臓の機能が失われ、最終的に人工透析治療が必要になります。 | 手足の神経に異常をきたし、痛みやしびれを発症します。進行すると足潰瘍(かいよう)や足壊疽(えそ)となる場合もあります。 |
他にも、高血糖の状態が続くと、歯周組織の血管がもろくなり歯周病が進行しやすくなることや、認知機能が低下しやすくなり、元々軽度の認知障害がある方はさらに進んで認知症を発症しやすくなるといわれています。また動脈硬化が進み、脳梗塞などの原因にもなります。
参考:国立国際医療研究センター糖尿病情報センターホームページ、公益社団法人日本糖尿病協会ホームページ
県内の糖尿病患者数は約16万人となっており、また例年約1,000人前後の糖尿病性腎症の方が新規に透析を導入しています。人工透析での1年間の医療費は約500万円かかるとされていて、糖尿病がもたらす医療費負担の増大も課題となっています。
糖尿病対策について
糖尿病の怖さは、初期の段階では自覚症状がほとんど出ないことにあります。高血糖になると、喉が渇く、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすくなるといった症状が現れます。
糖尿病にならないためには、日々の生活習慣の改善が重要です。健康的な生活習慣を身につけ、糖尿病対策をしっかりと行いましょう。
1. 食事
適度なエネルギー量で、バランスの良い、規則正しい食事は糖尿病対策の基本です。
参考:国立国際医療研究センター糖尿病情報センターホームページ |
ちょっとしたことですが、毎日の心がけが大切です。また、食品中に含まれる目で見てわかりにくい油「隠れ油」や、アルコール・おやつの過剰摂取に注意し、なるべく減塩の食事をとるようにしましょう。
2. 運動
運動には、血液中のブドウ糖を消費して血糖値を下げることや、肥満を解消しつつ筋肉増加によってインスリンの働きを高める効果があります。一般的には、ややきついと感じるくらいの有酸素運動と、筋力を増強する筋力トレーニングが勧められています。
ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動です。週に計150分以上、頻度は週に3回以上を目安に行いましょう。 参考:一般社団法人日本宝くじ協会「みんなで始めよう糖尿病予防」リーフレット |
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足や腰、背中の大きな筋肉を中心に、全身の筋肉を使って週2~3回のトレーニングが推奨されています。 参考:国立国際医療研究センター糖尿病情報センターホームページ |
※運動で気を付けること
運動前には、きちんと準備運動をしましょう。また、高い強度の筋力トレーニングは心臓や腎臓に負担がかかり、かえって害になります。やみくもにたくさん運動すればよいというわけではありませんので、注意が必要です。無理のない範囲で行いましょう。糖尿病のある方は、運動を始める前に主治医に相談しましょう。
3. 健診
糖尿病の疑いがあるかどうかは、学校や勤め先などで実施している健康診断、特定検診を受けることでも知ることができます。健診結果の空腹時血糖※1又はHbA1c※2を確認してみましょう。
空腹時血糖(mg/dl) | HbA1c(%) | |
※1 空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の量を調べるものです。一般的に検査前日の夕食後から絶食し、翌日の朝食前の空腹時に検査します。※2 HbA1cとは、血液中のヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、血糖の状態を表す指標です。過去1~2か月間の血糖値の平均を表しますので、直前の食事や運動等の状況に左右されることなく、血糖の状態を知ることができます。
参考:国立国際医療研究センター糖尿病情報センターホームページ |
引用:神奈川県「糖尿病対策」