交通事故のむち打ち症放置しないで!後遺症と後遺障害が残ってしまったとき

むちうちとは、交通事故などで追突された際に、頭や首が鞭のようにしなる動きから生じる損傷を指します。医学的には「外傷性頚部症候群」と呼ばれるもので、特に交通事故によるケースが多いです。事故当日は痛みを感じにくいことが多く、翌日以降に痛みが強まる場合が少なくありません。

むちうちの特徴的な点として、レントゲンやMRIなどの検査で異常が確認されないにもかかわらず、首の痛みや不快感が続くことがあります。そのため、検査結果に異常がなくても症状が長引くことがあり、日常生活に支障をきたすこともあります。軽度の場合は数日で回復することもあれば、症状が1年以上続く場合も。

むちうちの症状

むちうちの症状は多岐にわたりますが、特に首や肩に痛みが生じることが一般的です。以下のようなさまざまな症状が報告されています。

  • 首の痛み
  • 肩こり
  • 上肢のしびれや痛み
  • 脱力感
  • 頭痛
  • めまい
  • 嘔気
  • 耳鳴り
  • 下肢のしびれ
  • 動悸
  • 全身の倦怠感

医師がよく目にするむちうちの症状は、首の痛みや肩こり、上肢のしびれや痛み、頭痛の4つです。これらの症状は、事故後にすぐに現れることもあれば、時間が経ってから出てくることもあります。

むちうちの治療期間

むちうちの治療期間は個々のケースによって異なりますが、比較的短い場合は1〜2週間で症状が軽減することがあります。しかし、多くのケースでは1〜3ヵ月の治療期間が必要とされており、中には半年以上かかる場合もあります。

6ヵ月以上経っても症状が残る場合は、後遺障害の申請を検討したほうがいいでしょう。

ただし、むちうちが後遺障害として認定される確率は約5.5%と非常に低いため、申請時には慎重な準備が必要です。特に後遺障害の申請は、加害者側の保険会社による「事前認定」が一般的ですが、弁護士を通じた「被害者請求」の方が成功率が高くなる可能性があります。

むちうちが治らない確率と後遺障害

むちうちの症状が3ヶ月以内に完全に治らない人は約50%にも上ります。さらに、むちうちによる症状が1年経っても治らないケースは全体の20%に達するとされています。1年以上症状が続く場合、それは後遺症となり、後遺障害として認定されるケースもしばしば…。

むちうちによる後遺症は、数年経過しても改善しないこともあり、長期間にわたって苦しむ患者もいます。そのため、むちうちで後遺症が残った場合は、自賠責保険への後遺障害申請が必要となります。

しかし、後遺障害に認定される確率は約5.5%と非常に低いため、申請の手続きには弁護士を通して行う方がよいでしょう。後遺障害が認定されると、慰謝料や逸失利益を請求できる可能性が高まりますが、そのためには適切な証拠の提出が重要です。

むちうちで後遺障害認定を受けるための手続き

むちうちで後遺障害認定を受けるためには、必要な書類を整えて審査機関に提出する必要があります。手続きには「被害者請求」と「事前認定」の2つの方法があります。

被害者請求は、被害者自身が必要書類をすべてそろえ、相手方の自賠責保険会社を通して審査を受ける方法です。被害者請求では、書類の内容を被害者が確認でき、追加書類を添付することも可能です。

一方、事前認定は、保険会社が必要書類を用意してくれるため手間がかかりませんが、書類の内容を被害者が確認することが難しいというデメリットがあります。

後遺障害認定の結果に納得がいかない場合、異議申し立てを行い再審査を受けることもできます。

まとめ

単なるむち打ちだからと軽く見てはいけません。症状が長引いて苦しんでいる方も多くいます。むち打ちになった場合はすぐに病院へ行き、適切な治療を迅速に始めましょう。